天の極楽浄土

これまで、初七日法要から四十九日法要までのことを書いてきました。

最近は、法要もまとめて行ったり、やらない場合もあったり、省略することもありますが、一周忌、三周忌は重要な法要となります。

四十九日法要と同じように、このときは、遺族、親族をはじめ友人や知人も集まるからです。

ここでは、主に一周忌を主に書いてみたいと思います。

 

亡くなった翌年の祥月命日が一周忌のこと

これまでは初七日法要の七七日忌から四十九日法要のことまで書きました(→ 四十九日法要(施主からみた)について )が、その後、死後100日目の百か日忌日もります。こちらは、遺族のみで行い、読経も省略することが多いです。

 

さて、亡くなった翌年の祥月命日に行う一周忌ですが、こちらは四十九日法要と同じような規模で行うことが多いです。

四十九日法要でも書きましたが、「仏事は先延ばしにしない」が原則なので、命日が平日で遠方の実家に帰ることができないなどあるのなら、それより前の土日に行うようにして、一周忌を行います。

 

友引の日とは、吉凶を占い、仏事とは関係なし

 

それと、葬儀の日にちと同様に考える人がいるのか、「友引の日」でも行っていいのか、と疑問に思う人がいるようです。

大安、仏滅などの六曜と呼ばれるものは、中国から伝来した日にちの吉凶を占うものなので、本来は仏事、法事とは無関係です。

 

その地の慣習などがあるなら別ですが、友引に行ってもいいのです。なるべく多くの人が集まることができる日を選ぶのがいいのです。もちろん、祥月命日より前に、です。

前に行う分には、決まりがないので、命日の1ヶ月以上前に行うことさえあります。

 

さらには、お父様の一周忌とお祖父様の十三回忌を一緒に行うということもあります。これを「併修、合斎」といいます。

地方によっては、翌年も法要があるからと、2年続けるのは人が集まることが難しいなどの理由で、一緒に行われる場合もあります。

 

命日の早いほうの年忌法要に合わせます。先に来る年忌法要と一緒の日にやります。ただし、このようにまとめてやるのは、三周忌以降という考え方が多いので、重要な三周忌まではまとめて行わないで、亡くなった人、その故人の法要を行うのが一般的です。

 

三十三回忌をもって、区切りをつける弔い上げが多い

一緒に行う法要の関連ですが、一般的には、三十三回忌をもって、弔い上げとすることが多いです。その前に弔い上げとする場合もあります。

ただし菩提寺では、檀家の年忌法要にはお経をあげていただいているので、親族が集まる法要を行うのが難しくても、菩提寺には顔出しをして、供物とお布施を渡しておくといいでしょう。

三回忌までは喪服を着用

一周忌は親戚だけでなく友人など故人と縁があった人も招待しますが、中には、身内だけで済ませる場合もあります。

親戚だけの場合であっても、一周忌は喪服を着用します。一般的には、三回忌(死後2年目)までは喪服を着用という場合が多いです。

三回忌以降の七回忌、十三回忌、二十三回忌、二十七回忌、三十三回忌の年忌法要は、儀式というよりは故人を偲ぶ会という意味合いが強くなり、喪服ではなくなって、平服になるようです。

平服と言っても、派手なものではなく、黒や濃灰色を基調にしたダークスーツ、女性の場合もスーツやワンピースになるでしょう。

 

一周忌に納骨式を行う。四十九日法要にできなかった場合

四十九日法要のところでも書きましたが、四十九日法要の時に一緒に納骨を行うことが多いです。
しかし、気持ちの整理がつかないなどの理由で、納骨が一周忌になることもあります。

寺院墓地でしたら、読経もしてもらいます。

長くても、三回忌までには納骨式を行いましょう。

また、忌日法要、年忌法要など仏事は地域性が色濃く出ます。

習慣やルールは近所でさえ違うといわれるくらい地域性が強いものです。年忌法要は、ネットや書籍にかいてあるマナーや習慣とは違うこともありますので、事前に親戚なり、菩提寺の住職なりに聞いておくほうがいいです。

 

お布施の目安はないけれど

仏事におけるお布施は、あくまでも感謝の気持ちを表す、お気持ちです。歴史あるお寺さんなど寺院の格式によっても違いますし、戒名や菩提寺かどうか、単に縁があって頼んだだけか、地域の慣習による目安などありますから、本来は「相場」というものがありません。

 

檀家でしたら、檀家総代に聞くとか、親戚に聞くなどできるでしょう。また寺院に直接聞いてもかまわないと思います。「失礼とは思いますが、みなさん、このような場合、おいくらくらいお包みしているのでしょうか」と聞いてみてはいかがでしょう。

 

一般的には、四十九日法要や一周忌には、3万から5万円くらいといわれています。一周忌は少し多めに渡すことが多いようです。

 

また、三十三回忌のように、弔い上げの場合にも、いつもより少し多めの金額にしておくのがいいでしょう。これを区切りに、ということで区切りをつける意味でも少し多めに、ということです。

 

また上にも書いたように、父と祖父の法要をまとめて行うような場合は、倍のお布施というよりは、1.5倍くらいをお渡しするのが目安のようです。

 

永代供養をしている場合は、故人の命日やお彼岸などに寺院では読経を多なっているので、法要を行わないことが多いですが、可能なのでしたら、行ったほうがいいかと思います。

 

卒塔婆供養

年忌法要やお彼岸、お盆の時期に卒塔婆を立てます。卒塔婆を立てることが追善供養になるからです。
浄土真宗など卒塔婆供養を行わないこともあります。

 

卒塔婆供養の法要には、施主が卒塔婆供養に参列する人数を確認して、寺院に連絡をしておきます。

 

卒塔婆供養の卒塔婆は、故人一人に対して家族で一本立てます。もし法要を2人まとめて行った場合であっても卒塔婆は2人分立てます。

 

卒塔婆供養の卒塔婆には、世帯主の名前をいれていただきます。お墓のそばに卒塔婆を立てますが、あまりに長期間放置しておくと、朽ちてきてしまいますので、古くなったら、片付けて、寺院や霊園指定の場所に捨てておきます。寺院のほうでお焚き上げをしてくれるようです。