FPの集まりでも話題に出る空き家問題

私のことになってしまいますが、今年、2017年7月で、宅地建物取引士の登録が10年になりました。11年目に入るので、この際、何か自分が勉強してきたことを書きたいなと前から思っていました。

何がいいのか考えていたのですが、今、至るところで空き家問題を聞くようになりました。悩んでいる人も多いのではないかということです。

政府も何もしていないわけでなく、対策を講じているのですが、まだまだ解決とはいえず、問題は広がっていきそうです。

空き家問題に関連して、これから何回かにわけて不動産売却のことを知っている範囲で書いていこうと決めました。

これが宅建士の資格を活かして、情報発信にはいいだろうなと思ったからです。

というのも、不動産を売却するなんてそうそうないことですよね。それも空き家問題がからみますと、時間との勝負です。遅くなればなるほど、不動産が売れなくなります。買ってくれたら「御の字」の状態になってくるんですね。

同様のことが転勤などで自宅を急いで売らないといけない場合もあります。

親が病気で自分が故郷に帰ることになったということもあるでしょう。

人生の中でそうそう機会がないものの、金額が大きなものになってしまう不動産売却について何回かにわけて、コラム的に書いていこうと思いました。

空き家は増え続けている

最初のうちは、売却のやり方などのノウハウ的なことよりも一般的なことから書いていきたいとおもいます。

まずは日本の現状です。

空き家が売却されるようになると、これまた不動産市場に入ってきますが、現状、まだ賃貸にも出していない、売却にも出していないという不動産は増加し続けています。

国土交通省では、昭和55年度よりほぼ5年ごとに空家実態調査を実施しており、調査目的に応じて調査対象・方法の見直しを図りつつ調査を実施している。平成26年度調査は8回目

平成26年空家実態調査 集計結果について – 国土交通省

これを読みますと、相続が原因で空き家になっていることが多いことがわかります。

住宅を取得した経緯は、「相続した」(52.3%)、「新築した・新築を購入した」(23.4%)、「中古住宅を購入した」(16.8%)の順になっている

人が住んでいない、空き家については、これからどうするのかも近所の人を含めて気になるところです。

調査時点で人が住んでいない戸建て空き家等の利用状況は、一時現在者のみ・二次的住宅(昼間だけや週末・休暇時などに所有者等が利用している住宅)が 40.7%、賃貸・売却用の住宅が 11.0%、その他の住宅(物置、長期不在、取り壊し予定の空き家等)が 42.0%

賃貸を予定している戸建てや、売却用の住宅は約1割だけです。

今は、なんとか週末や夏休みなどに利用しているが、どうなるかわからない(最近は別荘を持つ人が別荘を売ろうと思ったら売れなくなったという記事を見かけるようになっています)状態というのが現状でしょう。

「その他」というのが、取り壊しとなるのか、どうかです。物置として利用でも、長期不在となっているでも、防犯面(空き巣が勝手に入るなど)、火災が起きないかどうかも気になるところです。

相続が原因となりますと、中には所有者も決定されていない場合もあります。相続争いがありますと、名義変更もできません。

また、所有者を決定されたとしても相続した本人が都心に住み、地方にある親の実家をそのままにして、処分もしていないということもあるでしょう。

空き家対策特別措置として、「空き家に係る譲渡所得の特別控除」もできましたが、あまり利用されていないと聞きます。

空き家の譲渡所得に関する税制に関してや、特別控除についてはお近くの税理士さんにお問い合せください。

住宅や土地に関する統計は

空き家の数を含め、住宅に関する統計は、5年毎の総務省統計局による調査でもわかります。

統計局ホームページ/平成25年住宅・土地統計調査

「平成25年住宅・土地統計調査(確報集計)」の結果より引用

「平成25年10月1日現在の総住宅数は6063万戸,うち空き家は820万戸で,空き家率は13.5%で過去最高」ということです。

これは減るのではなく、増えていく一方です。

統計局ホームページ/日本の住宅・土地-平成25年住宅・土地統計調査の解説- 結果の解説

統計局ホームページでは住宅・土地統計調査の解説もありますので、こちらも見ておくと現状の把握に役立つでしょう。

家を売る方向ではなく、誰かに貸したい、賃貸を選びたい場合は物件の存在する場所にも注意

余談ですが、駅近くの不動産(マンション、アパート)でないと賃貸用になりにくいことは、この統計からもわかります。

駅まで 1000m以上の住宅が 2994 万戸(57.5%)と住宅全体の約6割を占めている

住宅の最寄りの鉄道の駅までの距離別割合を所有の関係別にみると,「1000m未満」は持ち家が36.2%,借家が 52.3%で,「2000m以上」は持ち家が 39.0%,借家が 23.7%となっており,持ち家の方が借家に比べ駅までの距離が長くなっている。

自分が所有する住宅なら、たとえ駅から遠くても購入ということになるのかもしれませんが、賃貸となると話が違うようです。

もし、現在、所有している不動産を売却ではなく、誰かに貸したい、賃貸用にしたいとなると、駅からの距離も考慮に入れたほうがいいですね。

これから人口が減る日本では借り手が少なくなります。今は、駅から1キロ以上離れていても借りる人がいるのかもしれませんが、これからはわかりません。傾向としては駅から遠い物件ではますます借り手がいなくなる可能性が高いことも頭に置くといいでしょう。